本郷の歴史散歩

 
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東大 赤門
 本郷といえば、東京大学の町として有名である。
 本郷は、湯島郷の中に集落が出来た事に由来しているといわれ、室町時代から本郷と呼ばれるようになった。
 江戸時代、本郷周辺は「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」という川柳が残されているように、本郷三丁目にある「かねやす」までが実質的な江戸市内であり、土蔵造りの店が続いていた。
 明治十年(1877)に、旧前田家上屋敷跡に東京大学が創立されると、本郷は「東大の街」として、多くの教師、学生、文人が住む町となっていった。夏目漱石、坪内逍遥、二葉亭四迷、正岡子規、宮沢賢治、川端康成、石川啄木なども住居を構えていた。
   

 東大赤門(旧加賀屋敷御守殿門) と 三四郎池



東大 赤門
 東京大学の赤門といえば、誰もが知る門である。
 正式名称は、旧加賀屋敷御守殿門といい、文政十年(1827)11代将軍徳川家斉の溶姫が13代藩主前田斉泰に嫁入りしたときに建てられた。赤門は、火災などで焼失してしまったら再建してはいけない慣習があり、この赤門は災害などを免れて現存している貴重なものであり、国の重要文化財に指定されている。
 前田家は、この赤門を消防隊「加賀鳶」を置いて守ったといいます。



三四郎池



 もと加賀藩前田家の上屋敷に建造された育徳園の園池で、この頃は、心字池といわれていた。
 夏目漱石の名作「三四郎」で、主人公がよくここを散策したので三四郎池と名付けられるようになった。
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目黒不動尊

目黒不動尊

 関東で最も古い不動霊場で、江戸五色不動の筆頭。江戸近郊の参詣行楽として賑わいました。




樋口一葉、桜木の宿 と 法真寺

 

樋口一葉、桜木の宿 と 法真寺
 樋口一葉が幼少期を過ごした「桜木の宿」が、法真寺の向かって左手にあった。
 作品「ゆく雲」の中に、「上杉の隣家は何宗かの御梵刹さまにて、寺内広々と植わたしたれば、此方の2階より見おろすに、雲は棚曳く天上界に似て、腰ごろもの観音様濡れ仏にておわします。御肩のあたり、腰のあたり、はらはらと花散りこぼれて……」という一文があり、ここに書かれている「腰ごろもの観音」は、現在も本堂前に安置されている。

 真光寺(本郷薬師) と 十一面観音菩薩

 
  本郷薬師
 寛文十年(1670)真光寺の境内に、薬師堂が建立された。
当時は、奇病などで病に倒れる人が多数いたが、薬師さまに祈願すると病が治ったといい、多くの人々に深く信仰されていた。
 また、「薬師の縁日は本郷の花なり」と詠われるほど、牛込神楽坂の毘沙門天と並んで、縁日の夜店が盛んであったという。
 真光寺は戦災で世田谷・鳥山に移転し、現在は薬師堂と墓地が残っている。



十一面観音菩薩
 
 真光寺は、藤堂高虎によって再建された寺であり、薬師堂とともに十一面観音菩薩も境内に置かれていた。
 現在は、路地を入ったところ安置されている十一面観音菩薩に驚かされます。。
 観世音信仰が盛んになったのは奈良時代(710~794)からで、温厚で自ら修行の傍ら、多くの衆生を教化、救済してくれるこの像に人々の信仰が集まった。十一面観世音は本来慈悲の面を基調に、時に応じ、場に従い、様々な顔を使い分け、人々を救済してくれるため、深く信仰の対象となった。

 

桜木神社

 桜木神社
 桜木神社は、太田道灌によって文明年間(1469~1487)江戸城内に創建したのがはじまりとされ、その後湯島に移され、元禄三年(1690)現在地に移転した。
 祭神は、学問の神様である菅原道真である。

本郷座

 本郷座
 明治六年(1873)に、本郷の地主奥田氏が奥田座を開設、その後、春木座、さらに明治三十五年(1902)に本郷座と改称した。
 9代目市川団十郎と5代目尾上菊五郎が出演し人気を呼んでいた。
 本郷座となってからは、川上音二郎一派の『ハムレット』が大人気となり、新派全盛となった。
 昭和五年からは松竹の映画館となり、第二次大戦で消滅してしまった。

金刀比羅宮

 金刀比羅宮
 四国金比羅宮の分院である。
 この周辺一帯は、徳川光圀の兄弟であった高松松平頼重の下屋敷があった。
 
 松平家十二代目、頼寿は、昭和十四年(1939)から貴族院議長の要職を務め、さらに本郷学園を創設するなど日本の教育分野に大きく貢献した人物である。

昌清寺

 昌清寺
 昌清寺は、元和元年(1615)の創建で、3代将軍徳川家光の弟である駿河大納言、松平忠長の乳母、於清が建てた寺である。
 松平忠長は、大坂城主を要請したことにより家光の怒りにふれ、高崎城に幽閉され自害した。於清は、弔うために尼となり昌清尼と称した。


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